ポリアモリーは、叶姉妹さんが、28日のブログで「とても定義が複雑ですので、まだまだ間違った解釈をされていることが多い」と話すように、誤解されることが多いマイノリティです。「浮気性」「不誠実」などと言われることがありますが、全く異なるものです。叶姉妹さんは、現状を受けてポリアモリーとしての恋愛観・人との向き合い方について持論を展開しました。
【1】ポリアモリーの意味の解説 ポリガミーとの違いは?
LGBTを含むセクシャルマイノリティのうちのひとつ、ポリアモリーは、自分のあり方を包み隠さず誠実に伝え、パートナーとの合意のもと、複数人と恋愛関係を気づく恋愛スタイルです。合意を得ていない場合には、浮気となり明確に違います。
ポリアモリーの恋愛は、持続的に恋愛関係と感情的な繋がりを築くことを重視しています。そのため、誰かひとりを一番と決めず、恋愛関係になった相手は等しく愛します。
人は多く恋人に対して独占欲や所有欲に駆られますが、排他性にこだわらない点も特徴的であり、恋愛にとどまらず多様性を受け入れ、相手と誠実に向き合っています。(そのため、全性愛のパンセクシャルを自認している人が多い印象がありますね)
なお、恋愛関係に関して言及したマイノリティであるため、複数の人と婚姻することについては、ポリガミーと表現されます。“一般”、マジョリティとされている異性の人ひとりと結婚関係を築くスタイルはモノガミーです。
【2】カムアウトしている著名人・芸能人
日本に誤解が多いことを受け、ポリアモリーの人たちはセクシャルマイノリティの中でも、特に自身のマイノリティについて積極的に発信している印象があります。カムアウトしている著名人も、少なくないと言えるでしょう。
(1)きのコさん
ポリーラウンジの主催者であり、2011年にポリアモリーであることをカミングアウトした文筆家のきのコさん。ツイッターを中心に、ポリアモリーとしての行き方や価値観を発信しています。
(2)西山克嘉さん
ゆかりさんと結婚している西山克嘉さんが、事務所で働いていた裕子さんを好きになったのをきっかけに、3人で生活を始めた西山家は、“ポリアモリーの精神”で夫婦関係が成立しているそう。日本では多重婚が認められないため、ゆかりさんと籍を入れて夫婦として過ごしたのち離婚、裕子さんと結婚して子ども達を同じ戸籍に乗せた後に再度離婚する方式をとる形で、家族として過ごしています。
(3)叶姉妹さん
ブログで度々“ナイスルッキングガイ”という叶姉妹さんとラブラブな複数人の男性達の話が出てきますが、叶姉妹さんも自身の恋愛スタイルがポリアモリーであることに触れ、結婚には興味はないことを明かしています。
【3】叶姉妹の恋愛観・ポリアモリーとしての矜持
叶姉妹さんは、ポリアモリーが矜持を持った上で恋愛をしていることを受け、ポリアモリーのあり方についてブログで言及。「複数愛を理解していない方の場合は誠実とはいえないこともありますので、くれぐれも惑わされないように」と、複数愛を十分に理解した上で恋愛を行うことがあることを説明しました。
また、「彼らが自分勝手なわたくしに会いたくなければ合わない選択肢があるわけですので、ジェンダーフリーでお互いとてもフェアな関係性です」と、自身もポリアモリーというマイノリティを他者に押し付けず、ポリアモリーであることを受け入れてくれる人と恋愛関係を築いていく“誠実さ”が、人と向き合う上で大切であるという思いを綴りました。
そのため、叶姉妹さんの場合に、ポリアモリーが心的繋がりを大切にすることを受け、「『結婚という”システム”』に何の魅力も感じない」と、機能的な結婚に関心がないことも語っています。
【4】複数愛の意味を理解することが大切
セクシャルマイノリティの中でも特にポリアモリーは誤解されています。それは、ひとりの人を愛し、その証として結婚する・パートナーシップを結ぶという“常識”に囚われ、安易にふたり以上との関係は不健全・不誠実と文面だけで受け取ってしまっているからかもしれません。
しかし、ポリアモリーは至って誠実に、ポリアモリーというマイノリティの人間として恋愛スタイルを気づき、自分や相手の気持ちを大切にしています。複数愛は単なる浮気ではありません。複数愛というものを知ることが、ポリアモリーの偏見や誤解をなくすことにつながるのでしょう。
(Aoki Amy/ライター)
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