マイノリティであり、日本では教育・医療・福祉の世界でも「存在しない者」扱いを受けているギフティッド(gifted)について連続して説明しています。今回は、男性の全体傾向とゲイセクシャルの場合について論じていきます。
【1】ギフティッドに関する記事
また前回は、「女性ギフティッド(gifted)全体の傾向」と「レズビアンのギフティッド(gifted)」について、フランスの状況や書籍をご紹介しました。
それでは、男性ギフティッド(gifted)やゲイのギフティッド(gifted)の場合はどのような恋愛傾向があるでしょうか?
【2】前提として…男性ギフティッド(gifted)全体の傾向
男女の脳に違いはなく、ギフティッド(gifted)の数も原則男女同数です。
しかしながら、知能が高く様々な能力の高いギフティッド(gifted)といえども、社会のジェンダーステレオタイプと、「生まれた時に割り振られた性別」の影響を受けています。
そのため、「生まれた時に割り振られた性別」によって、考え方や悩みや人間関係において一定の傾向が出ています。
※ここでは、「生まれた時に割り振られた性別」が男性であるギフティッドを男性ギフティッド(gifted)と表現します。
ギフティッドの中でも男性ギフティッド全体の傾向としては、次のことがあげられます。(※1)
- 独立心が特に強い。
- リスクを好む。
- 刺激を求め、性愛の面で度が過ぎることがある。
- 本来、感受性も喜怒哀楽も豊かであるのに、感情を抑制しすぎる。
- 好奇心が強く子どもっぽいところがある。
- 精神的に不安定なところがある。
- 「男らしさ」というジェンダーステレオタイプに反するところがある。
(※1)(※1)Monique de Kermadec <> (2020)p.24~
https://www.albin-michel.fr/ouvrages/le-surdoue-et-lamour-9782226455840
【2】ゲイのギフティッド(gifted)の傾向やカップル(恋愛)の場合
ゲイのギフティッド(gifted)はどのような傾向があるのでしょうか?
フランスでは、1999年に連帯市民協約パックス(PaCS)成立(※2)。2013年には同性婚法が成立し、他国に比べたら比較的早い時期に同性婚が可能になりました。
しかしながら、このようなフランスでもやはりまだ社会的な抑圧があります。そのせいで、親にカミングアウトする際に心理的抵抗があるとのことです。
普通の人でもギフティッド(gifted)でも、ひとりひとり性格が違いますよね。例えば、外向的であるか内向的であるかです。しかしながら、ギフティッド(gifted)の場合は、普通の人の10倍大きくその性格が出てくることがあります。
10倍外向的、10倍内向的、10倍大人しい、10倍優しいなどです(※3)。
その点が、やはりパートナーとの関係に影響してきます。
もともとギフティッド(gifted)の性質を持つ人は50人に1人ぐらいです。
自分のことをしっかり理解してくれる理解者を探す時に、少し苦労するかもしれません。ゲイ・コミュニティの中にいても、ギフティッド(gifted)ということでどうしても、ぴったり同じ性格の理解者の数が限られてきます(※3)。
(※2)在日フランス大使館 PACS(連帯市民協約)ついて
https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/pacs.html
(※3)Monique de Kermadec <> (2020)p.98
https://www.albin-michel.fr/ouvrages/le-surdoue-et-lamour-9782226455840
【3】まとめ
所属するコミュニティの数を増やすなどで、出会いのチャンス自体を増やすことが必要かもしれません。
自分らしくいられる居場所やパートナーを見つけるためには、ギフティッドではない普通の人よりも多めに出会いの場を広げる方がいいかもしれませんね。
(LIE/ライター)
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