LGBTが浸透しつつある世の中で、様々な表現をされているのがXジェンダーかもしれません。「わかりやすさ」が少ないからだろうとも思っているのですが、それゆえに「もっと細かい定義がある」「性別が揺れる」と言う点が理解されにくく、苦悩も多いのではないかと感じています。具体的に、Xジェンダーのひとりとして解説していきましょう。
【1】Xジェンダー(ノンバイナリー)の「性別」
だいたいXジェンダーの方が自身の性別を定義するとき、「中性」「男女どちらでもない」「性別はない」という考えの人で分かれると思います。
因みにこのXジェンダーという表記、日本独特のようですね。海外だと、ノンバイナリーと表現されることがあります。
しかし、この定義ですら本人の中では「本当はもう少し細かいんだけど、分かりにくいだろうからこう言っておこう」みたいなことがあるんです。
【2】細かいってどういうこと?
これは他のセクシャルマイノリティの方も同じような所があると思うのですが、微妙なニュアンスほど伝えようとすれば伝わりにくいんですよね。
とはいえわりと情報が行き渡っていて、尚且つはっきりとしている物事が多いとそこまで苦労はしなくていいのですが……細かいニュアンスばかりになるのがXジェンダーの悲しい所です。
例えば、人によっては性別が日によって揺れ動くというケースもあるのですが……そうしたことを初めて聞いたとしたら「どういうこと?」となりますよね。
【3】性別が揺れる?
個人的に、この性別の揺れがしっかりあるXジェンダーの方が大変なのではないかと同じXジェンダーとして考える所があります。
トランスジェンダーの方でも「自分の性別はこれだ!」というものがあるわけですから、そうそう変化するというか揺れるものではないと思われて当然だと思います。
けれど、日々揺れるのがXジェンダーの難しさであり特徴のひとつです。とはいえ、だいたいの方は「どちらかというと男性寄り」「どちらかというと女性寄り」というものがあります。
あるのですが、この「どちらかというと」が8:2とかのわかりやすい割合ではなく6:4、というような割合だったりするので日によってその比率が変わりやすいんですね。
元々が両方の要素を抱えている状態であり、尚且つそれが日によって入れ替わる……という不安定な存在。それがXジェンダーの持つ理解されにくさであり、生きづらさでもあり、伝わりにくさではないかと思っています。
【4】どちらでもない、どこでもないという苦悩
Xジェンダーが知られてきたことは当事者として嬉しいものの、たまに「第三の性」に属している部分だけに注目されて終わりにされているように感じます。
知られていることは知られていないことよりも有難いこととはいえ、苦悩の部分には注目されていない気がするのです。
人生で変わるはずのないものが日々変化する、揺れ動くということは奇妙に見えるかもしれません。ですが、そうしたセクシャルマイノリティが存在すると声を上げない限り、自己理解も自己肯定も難しいのではないかなと思っています。
【5】なんとなく感が強いXジェンダー
FtXという自覚を持って生きてきましたが、改めて自分についているXジェンダーという記号と向き合ってみようと思ってこうした記事を書いてみました。
なんとなくで理解されているのはどのセクシャルマイノリティでも同じだと思うのですが、その「なんとなく感」が強いのがXジェンダーだと思うのですよね。過去を振り返りつつ、一人のXジェンダーとして思うことを書かせていただきました。
(シキ/ライター)
コメントを残す